仲は良かったけれど、母に依存しているわけではないと思っていた。
だけどいなくなった途端、何を目的に生きていけばいいかわからなくなった。
だって私の頭には、これから母と過ごすはずの明るい未来しかなかったのだ。
母がいなくなったということは、全てを奪われたも同然だった。
母の遺品を漁ってはシクシク泣く日々を続けていると、心配した弟が
「姉ちゃん、今にも死にそう。俺しばらく一緒に住むわ」
と言い出し、私と母の部屋に転がり込んできた。
雄輔は廃人のように母との思い出に溺れている私を世話してくれた。
「姉ちゃん、飯買ってきた」
「風呂入れよ」
「ちゃんと寝てるか?」
離れて暮らしていた姉でも、姉だと思ってくれて嬉しい。
我が弟ながら、しっかりしている。
私は大学の夏休みが終わる頃まで、弟に甘え、母の遺品に埋もれながら過ごした。



