改めて感じる劣等感。
あのヒステリックなお母さんが気に入るくらいだから、きっと出来た人なのだと思う。
しかもあの上品さ。
彼女を植物に例えるならユリの花。
雑草の私なんかとは同じ人間で同じ女でも、細胞ひとつひとつの成分が違う気がした。
そんな人に好かれたら、そりゃあ恵一だってその気になるだろう。
私でさえ、落とせたんだから。
あんな簡単な男、
「さっさと結婚でも何でもしたらいいのよ」
私がふてくされると、雄輔は溜め息をついた。
「マスターはノリ気じゃないよ」
ふん、どうだか。
もう騙されるもんか。



