仇恋アベンジャー


母が交通事故に遭ったという知らせを聞いたのは、大学で3限目の講義を受けようとしているときだった。

私が病院に到着した時、もう母の顔には白い布がかけられていた。

唯一の家族である母。

私を育ててくれた母。

白い布をそっとめくると明るくて逞しいはずの母はもうどこにもいなかった。

その日の夕食は素麺にしようって約束していたのに。

翌日は母が洗濯当番なのに。

もう約束は守られない。

まさかこんな形で彼女を失うとは思ってもみなかった。

突然いなくなるなんて思わなかった。

暮らしの支えを突如として奪われた私は、その時から少しだけ狂ってしまった。