目を覚ますと、見知らぬ部屋にいた。 寝心地の悪いベッド。 どうやらここはうちでもなければ恵一の部屋でもない。 「由紀!」 誰かの呼び声が聞こえた。 頭がボーッとして体がダルい。 そしてなんだか所々が痛い。 身体中に広がる違和感。 「由紀、わかるか?」 声がする方を向く。 「ここ、病院だぞ」 声の主は泣きそうな顔をしている父だった。 記憶が蘇ってゆく。 そうだ、私、事故ったんだ。