仇恋アベンジャー


渋る私に、雄輔の苛立ちが募っていく。

「あー、もう! 姉ちゃん、マスターのこと好きなんだろ?」

「うん、好き」

好きと言う声が震えるくらいに、胸につっかえて苦しい。

「今日だって急に服装変えたり、髪型変えたり。それってマスターに見合うようになるためじゃないのかよ」

「それはっ……」

違うとも言い切れない。

私の潜在意識の中には常に恵一がいて、服を選んでいる間も隣にいることを妄想してしまっていた。

「だったら……」

雄輔が立ち上がり、私の分の皿を取り上げた。

ほかほかのハンバーグはそのままキッチンへ。

「今すぐマスターのとこに行ってこい」

手を付けていないハンバーグは皿ごとラップに包まれてしまった。