「お前たちは、真っ当な相手と結婚して、大事にして、穏やかに暮らしてほしいよ」
二度も離婚を経験した父の言葉は重い。
私はこの先どんな人生を送っていくのだろうか。
「そのつもりだよ」
できれば父の意向に沿いたいと、心から願う。
翌翌日。
物を破棄するばかりの引っ越しは想像以上に大変だった。
ベッドや机も新しくして、母との思い出を薄めていく。
思い出の詰まった家具類を捨ててしまうのは心苦しかったけれど、捨てられなければ自分を変えることなどできないと思った。
私に用意されていたのは、これまでより少しだけ広い部屋。
断捨離と言えるくらい何でもかんでも捨てて、必要なものだけ新しく買い揃えた。
そこそこ金がかかったけれど、父は文句を言わなかった。
21年目の新生活。
私はここから、新しい自分になるのだ。



