楽になったといっても、気持ちだけ。
生活や体力的負担が減るわけではない。
夜は男たちの機嫌を取るストレスに堪え、昼は赤ん坊の泣喚に対応する。
背に腹は変えられなくなり、実家に助けを求めるも、逆に勘当されてしまった。
母の実家は厳格な家庭であったという。
父親のわからぬ子供を相談もなく産み、水商売で食いつないでいるなど、一家の恥だと言い捨てられたそうだ。
母の心身はみるみるうちに壊れていき、闇に蝕まれていった。
育児ノイローゼはそのまま育児放棄へと変わり、恵一の異常な泣き声に気付いた近隣住民が警察に通報。
脱け殻のようになっていた母は警察に保護され、赤ん坊は児童福祉施設に預けられた。
罪にはならなかったのが、せめてもの救いだった。



