部屋に戻ると恵一が炊いた線香は燃え尽きてしまっていた。
お香のような香りが部屋に漂っている。
私は未だに3人分の食器が並んでいるテーブルをそのままにして暖房と明かりを消した。
私の短い人生史上、最も孤独なクリスマスイブ。
母も恋人もいない独りぼっちの私。
空っぽになってしまった心は、またいつか何かで埋めることができるのだろうか。
それともずっと空っぽのまま、ただ死ぬまでの時間を埋めるようにして生きていくのだろうか。
どちらでも構わないけれど、願わくば、残りの人生は穏やかでありますように。
幸せでなくとも、穏やかでありますように――……



