仇恋アベンジャー


謝りたい気持ちは顔に出ていたらしい。

遮られてしまってはもう何も言えない。

何度も何度も同じことを思う。

母の亡くなる前に知っておきたかった。

こんなタイミングで知らされるくらいなら、知らない方が良かった。

恵一が悪い男なら良かったのに。

私のことなんて好きにならなきゃ良かったのに。

彼の育ての母くらい、私に嫌悪を抱いてくれれば良かったのに。

俺を騙した酷い女だと、今ここで罵ってよ。

どうしてそんなに優しくするの?

「匠がさ、言ってたんだ」

「匠先輩?」

「ああ。女がいないと、店が暗いって」