「雄輔が、本当のことを教えてくれたから」
「本当のこと?」
「ああ。あいつは気付いてたんだ。何もかも」
「何もかも?」
「お前たちが松井紀子の実子でないことを、あいつは知っていた。だからきっと俺が実子であることに、何となく気付いていた」
何よ、それ。
知ってて私に黙っていたの?
私が真実を知っていれば、雄輔が教えてくれていれば、きっとこんなことにはならなかった。
恵一と出逢うことすらなかっただろう。
でも、私のことだ。
母の子供でないだなんて、信じなかったかもしれない。
だって、こんなにショックなのだ。
「雄輔はどうしてマスターに話す気になったんでしょう?」
「俺たちが血が繋がっていると思い込んで悩んでることに、気付いたからじゃないかな」



