仇恋アベンジャー


予想だにしなかった展開に、頭がクラクラしてきた。

目の前に立つ兄と弟。

雄輔はまだ恵一の正体を知らないはずなのだ。

恵一だって、私が妹だと……今、気付いたかもしれない。

誰も何も知らなければいいと願っている私は、ここで下手に口を開けない。

「まぁ、座ってください」

固まっている私をよそに雄輔がテーブルを片付ける。

恵一は私の向かい側に座った。

黒のダウンジャケットを脱いで適当に丸め足元に置く。

視線が私の頭上にある母の遺影に向いている。

雄輔は台所で何かをしている。

この間を、どう切り抜けていいかわからない。

まさか家に来るなんて考えもしなかった。