仇恋アベンジャー


手を油まみれにしながらチキンにかぶり付く。

独特のスパイス配合に舌鼓をうち、歓喜の唸りをあげると、雄輔も同じ表情をしていた。

同じタイミングでコーラを口に入れ、同じタイミングで

「ぷはっ」

と息をつく。

「姉ちゃん真似すんなよ」

「あんたが真似したんでしょ」

と笑い合う。

昨夜は父と一緒に

「年頃の男女がクリスマスに恋人もいないのは寂しいな」

なんていう話をしていた。

だけど姉弟で過ごすイブも悪くない。

骨だけになったチキンを見てそう感じていたとき、このささやかなパーティーの終了を告げるようにチャイム音が鳴り響いた。

ピーンポーン……

「こんな時間に、誰だろ」

雄輔が立ち上がった。

「サンタじゃない?」

私は気にせずにコーラを口に注ぐ。

そのままテレビに目を馳せていると、玄関の方で男性と雄輔が話しているのが聞こえた。

そして。

「由紀」