「ただいまー」
雄輔が帰宅したのは、午後10時を回った頃だった。
待ちくたびれた私は部屋でうたた寝を始めており、活動を停止しかけた体に鞭を打って起き上がる。
「思ったより遅かったね」
大あくびをしながらそう言うと、
「これ買うために並んでたんだよ」
と某有名フライドチキン店の箱を差し出してきた。
鮮やかな赤色に、眠気が飛ぶ。
「やったー! それじゃケーキ出すね」
「買ったの?」
「ううん、作ったの」
「え? マジで?」
ささやかなパーティーを始めようと支度を始める。
雄輔も母の部屋で部屋着に着替え、コーラをグラスに注いでテーブルへ運んできた。



