火事防止のため、線香が燃え尽きるまでは家にいなくてはならない。
私たちはそれぞれ小さなテーブルの周りに腰を下ろす。
雄輔が適当に3人分の飲み物を淹れてくれた。
「由紀。少し痩せたんじゃないか?」
「そう?」
「ちゃんと食ってるのか?」
「食べてるよ。雄輔が作ってくれるし」
そうか、と父は茶をすすりながら笑った。
父は明るい母とは違って、大人しいタイプの男だ。
穏やかで優しくて、そんなところは見事に雄輔に引き継がれている。
「姉ちゃんが作るより俺が作った方が美味いからな」
「うるさいなー。別にあたしの料理がまずいわけじゃないでしょ」



