「恵一を捨てたくせに、娘ですって? ふざけんじゃないわよ」
「あんな女に子供を育てる資格なんてない」
「あなたも何も知らされないで、お気の毒ね」
「だけどもうこれ以上、恵一に関わるのはやめてちょうだい。うちにも金輪際来ないでちょうだい」
彼女の言葉と表情は、断片的ではあるけれど何度も頭の中でリピートする。
関わってほしくないのなら、
おっしゃる通りに。
だってもう、謎は全て解けたのだから。
血の繋がった兄だとわかってしまっては、どんな顔をして会えばいいのかもわからない。
無愛想な恵一。
だけど二人になるとよく笑う恵一。
冷たい振りをして、美味しいご飯を作ってくれる恵一。
ベッドで私を温めてくれる恵一。
兄である、恵一。



