仇恋アベンジャー


ガン、と胸のあたりに衝撃が走る。

赤ん坊の時にということは、つまり。

「恵一さんは、母が産んだということですか……?」

そんなの、信じたくない。

だって本当にそうだったら、恵一は私の兄だということになる。

血の繋がった、実の兄ということになる。

そんな彼と、私は……。

「そうよ。捨てられた恵一を、私たちが引き取ったの」

まるで奈落の底に突き落とされたような絶望感。

「うそ……」

こんな話、聞いたことがない。

母に私と雄輔以外の子供がいるなんて。

それがまさか、恵一だなんて……。

12月の寒さも忘れて、私はただその場に立ちすくんだ。

恵一の顔が頭に浮かんでは、自らの罪を思い知らされる。