「良いわよ。教えてあげるわよ。あの女はねぇ……」
ごくり。
全身に力が入った。
彼女の声も震えている。
「あの女は、恵一を捨てたのよ!」
耳を疑った。
母が恵一を捨てた?
逆じゃなくて?
私は当初、母が恵一に騙されて金を振り込んでいたと思い込んでいた。
捨てたとすれば恵一の方だと信じて疑わなかった私は、わけがわからなくなった。
「母の方が、捨てたんですか?」
彼女はものわかりの悪い私に呆れ、キッと睨み付ける。
「そうよ、恵一がまだ、赤ん坊の時にね」
その鬼気迫る表情は、嘘をついているようには見えない。



