「俺はそんなつもりで雇ったわけじゃない」
クールに正論を突き付ける恵一。
私は怯んで、思わず喉をごくりと鳴らしてしまった。
恋愛経験ゼロの女子大生ごときが、ある程度の経験を積んでいる大人の男を手玉に取るだなんて、そもそも無謀だったのだ。
だけど私にはそれ以上の作戦は思い付かなかった。
「それに」
と恵一は言葉を続ける。
「俺のどこを好きになったかは知らないけど、買いかぶりだろ。優しくしたりできねーぞ」
貢がせるような男に、優しさなんて最初から期待してない。
相手にしてもらえないのは、女子大生には貢げるほどの金がないからか。
それとも私という女が恋愛対象に見えないからか。



