「あの、それってどういう意味でしょうか? 母が何かしたんでしょうか?」
私がそう訪ねると、彼女はもっと気分を害したようだった。
更に眉をつり上げ、声を荒げる。
「ぶざけんじゃないわよ。あなた、娘ですって? 何のために恵一に近付いたの?」
「母は毎月、恵一さんの口座にお金を振り込んでいました。その理由を知りたくて」
「あなた、その話を恵一にもしたんじゃないでしょうね?」
「いいえ、していません。勇気が出ませんでした」
そう言うと彼女は少しホッとしたようだった。
「お願いします。教えてください。母は一体、何をしたんでしょうか」
恵一の母の怒り具合から判断すると、母は恐らく、塚原家、いや、恵一への償いで金を振り込んでいた。
理由はわからない。
それが知りたい。



