仇恋アベンジャー


門は通り沿いにある。

「塚原」と太い筆字に彫られた立派な表札を確認すると、ぐっと息が苦しくなった。

緊張だろうか。

表札は門の右部分にあり、その50センチほど下にカメラ付きのインターホンがある。

テレビでしか見たことのない屋根付きの門に萎縮して、ガクガクと足が震えだした。

全身が今までの人生で経験したことのないタイプのビートを刻む。

怖い。

でも、このボタンを押さなきゃ、ここまで来た意味がない。

……でも。

どうする?

やめとく?

今ならまだ引き返せる。

いやいや、せっかくここまで来たんだから。

もうここにしか手がかりは残されていない。

勇気出せ、さあ。

私は門の前に立ち尽くしたまま、恐らく10分以上はじっとしていたと思う。