仇恋アベンジャー




バスで駅まで行って、電車に乗り換えて。

車があればそんなに遠くはないのかもしれないけれど、原チャリで行くには少し遠い。

県内だけど、別の市。

恵一の実家であると思われる住所は、簡単に表すとそんな場所だ。

電車の中では携帯を利用して何度も地図を眺め、駅からの道を確認した。

緊張のせいか暖房のせいか、冬なのにじっとりと汗をかいている。

頭の中で恵一の両親の姿を想像しては、何を話そうか考えた。

親の顔が見てみたい。

いつだったかそんなことを思ったが、これからそれが叶う。

恵一に似て、無愛想な親だろうか。

裕福だと言っていた。

貧乏人から金を巻き上げて高笑いするような、悪い親だろうか。