薄々は勘づいていた。
母は確かに恵一に金を振り込んでいたが、それはそれまでに私が想像していた
「女が惚れた男に貢ぐ」
という図式ではないと。
そして新たな仮説が浮かんでいた。
「母はそうする必要があったから金を振り込んでいたのではないだろうか」
aomi cafeがオープンしたのは一年半前。
母の振り込みが始まったのは、遅くとも5年ほど前になる。
その頃恵一は栄養士として会社勤めしていたようだし、店を出す話など出てもいなかったと思われる。
もしかしたら恵一は、母が金を振り込んでいたことすら知らないのかもしれない。
母が振り込みを続けていた口座を、彼は利用していないのだ。
だったら、誰が持っているのか。



