恵一はちゃんと私を恋人として愛でている気がする。
私の目論見なんて知らずに優しくしてくれる。
バイトがある日は大体彼の部屋に泊まって、彼の作った朝食を食べて帰宅するのがお決まりのパターンだ。
12月中旬。
この時点でこの部屋の捜索は終わってしまっていた。
いくら探っても何も出てこない。
つまり、私がこの部屋に入る理由はもうなくなりつつあるのだ。
もういつ別れたって構わない。
私の正体がバレたって構わない。
しかし、母の貢いでいた金のありかを諦めたわけではない。
ここにはないと判断しただけだ。
そこで今日は、ひとつ大事な予定を立てている。
別れと解雇覚悟の大仕事だ。



