どんなにベッドの中が気持ちよくたって、いつまでもゴロゴロしているわけにはいかないのが現実だ。
生活を営むには、起きなければならない。
眠りに就きたい気持ちを何とか目覚めることに集中させ、
「起きなきゃ……」
呟きながら自己暗示をかける。
すると直後、体に電流が走った。
電流の発生原は耳から首のあたり。
ビリビリとした甘い刺激と水気を含んだ音が、全身と全神経を奮い立たせる。
突然の刺激に身を捩るが、腕でしっかり固定されて逃げられない。
耳元で鳴るリップ音。
布越しに身体をまさぐる大きな手の感触。
イタズラの犯人はもちろん恵一だ。
眠る前にも同じ感覚を味わった私は、一気に血の巡りが良くなって身体が暖まり、そういう意味で火が着く。
「目、覚めたか?」
「……おかげさまで」
まるで新婚夫婦にでもなった気分だ。
しかし彼は、着火した私の身体を放置して、ベッドから出ていってしまった。
……別に、したいわけじゃないもん。



