そして放課後――。


「なあ友、これからちょっとゲーセンつきあわねぇ? いつもんトコで新しいの入ったらしんだ」

 嬉々として高志が誘ってきた。

 そのあまりにも嬉しそうな顔に申し訳ないと思いながらも、あたしは誘いを断る。

「ごめん! これからちょっと約束があるんだ」

 そう言うと、高志の顔が明らかにしょんぼりとしたものになった。


「あーもー。ホントごめんって! 今度ちゃんと埋め合わせするから、な?」

 あたしはそう言って小首を傾げながら高志を見上げた。


「っ!?」


 高志は何故かそこで息を詰まらせ、赤くなった顔をあたしから逸らした。


 ん?
 どうしたんだろ?


「……今の友、可愛かったから許す」

「へ?」

 あたしはボソッといわれた言葉にマヌケな声で聞き返したあと、その言葉の意味を理解して赤面した。


 どこがどう可愛かったのかさっぱり分からないけど、率直な褒め言葉は凄く照れる。


 でも待て。

 普通男は可愛いって言われて喜ばないよね?

 ここは怒らないと。