そうだ。
 要は告白されたんだ。

 高志に。


 どう、すればいいんだろう……。


 高志のことは友達だと思ってた。

 しょっちゅうムカつくことを言うけど、本当は友達想いの優しい奴。
 性別とか関係なく、友達だと今も思ってる。

 高志もそう思ってるんだと思ってた。


 どちらにせよ、あたしは高志を受け入れられない。

 でも、その所為で友達の関係が崩れてしまうのも嫌だった……。


 だからあたしは何も言えなくて、うつむいて黙ってしまった。

 そんなあたしに、高志はいつもと変わりない口調で言う。


「いいよ、お前が何て言うかくらい想像できる。オレだってこれが原因で溝(みぞ)が出来るのは嫌だからな」

 ニカッと笑った高志は、あたしの頭をわしゃわしゃと撫でた。

「うわ!?」


「少なくとも今は、オレがお前のこと好きだってこと覚えててくれればいいよ」

「高志……」

「そういうことだから、教室戻ろうぜ」

「うん……。あっ、先戻っててくれよ。オレ他にやることあるから」

「そうか? じゃあ早く戻って来いよ」


 そう言った高志の背中を見送ると、あたしはため息をついて口を開いた。