あたしが感じやすいってことを重々承知の上で聞いてきてる。


 やっぱりコイツ腹黒い。


 この腹黒斗ーーー!



 あたしは声に出さない代わりに、引きつった笑顔を黒斗に向けた。

「俺がもし女だったらのことを俺に聞いたってわかんないよ」


「ま、そりゃそうだよな」

 黒斗はそう言ってあっさりと引き下がったけど、目が意味有り気だ。


 からかって楽しんでる。

 腹立つ!



 そうやってあたしが黒斗を殴りたい気持ちを抑えていると、高志があたしたちを力任せに引き離した。

「へ?」

 突然の行動だったため、あたしはただ驚く。


「お前ら男同士でイチャついてんなよ。気色悪ぃ」

「何だよ高志。これぐらいのスキンシップお前だっていつもしてんじゃねーか」

「なっ!?」


 高志が何か言い返そうとしたとき、丁度担任が教室に入ってきた。


「皆座れー。SHRやるぞー?」


 担任の呼びかけに皆席に着く。

 結局高志は何も言い返せなかった。




 こんな感じで、あたしのジュエル・ブルートパーズとしての日々が始まった。