待ち合わせ場所に着くと、弘樹は先に来ていた。

「弘樹。ゴメン、待たせた?」

 近寄って聞くと、弘樹は驚いたように目を軽く見開き「いや……」とだけ答えた。


「ん? どうしたのさ?」

「いや……改めて女装した姿見ると、女にしか見えないって言うか……」


 まあ、そりゃあ本当は女だし。


「って、んなこと言ったら失礼だよな。悪い」

 と、苦笑しながら謝った弘樹。


 それくらいで怒ったりしないのに。

 ホントに人がいいんだから。

「んじゃあとりあえずどこ行く?」

 そう聞かれてあたしはう~んと唸った。


 そういえばどこに行くかは決めてなかった。


「とりあえずのど渇いたな。何か飲まない?」

「そうだな。じゃあそこの喫茶店で一服するか」

「さんせー」


 そんなやり取りをしてあたし達は近くの喫茶店に入る。


 あたしはオレンジジュース。
 弘樹はコーラを頼んだ。


「そういえばさ、弘樹なんであたしのチームに入ったの?」

 丁度いいので、飲み物が来る前に前から少し疑問に思ってたことを聞いた。