いや、あなたどれだけ茶髪好きなんですか!?

 そんなに落ち込むこと!?



「まあそんなことはどうだっていいわ」

 自分から話を振ったくせに、「あ~」と唸っている学園長をお母さんはバッサリと斬って捨てた。


 お母さんも何気に酷い……。


「それより友、座りなさい。さっさと話始めるわよ」

「あ、うん」

 そう促され、あたしはお母さんに向かい合うように座る。

 学園長は落ち込みながらも、あたしにお茶を用意してくれるみたいでソファーから立ち上がった。

 お母さんはそんな学園長を気にも留めず、早速本題に入る。


「それで話っていうのは仕事の話なんだけどね……」

 その始めの言葉を聞いてやっぱりと思った。


 教室でのお母さんは、仕事の話をするときの真剣な顔だったから……。


「あんたにモデルの話が来てるのよ」

「へ?」


 モデル?


「何で? あたしモデルなれるような体型じゃないよ?」

「まあ……そりゃあ身長はないかもしれないけど、若い女の子ウケする小柄なタイプじゃない」

 ニッコリと微笑んで言われる。


 それはフォロー?

 それとも丸め込む気?


 そんな理由だけであたしにモデルの仕事なんか来るわけがない。