「へ? あ、うん。そうしてもらえるととっても助かる……」

「じゃあ黙ってます」

 と、やはり笑顔で言われる。


 何だろう?
 この変わりよう……。


 さっきまで敵意むき出しだったのに、今はその逆。

 とっても好意的だ。


 さっきと変わったことといえばあたしが女だってバレたことくらいだけど……。

 それがどう好意的になる理由になるのか……。


 メイクを直しながら不思議に思っていると、由理香ちゃんが照れくさそうに口を開いた。

「それで、一つ聞きたいことがあるんですけど……」

「……何?」

 ちょっと身構えながら促す。

「その、友さんって……」

 何だかもじもじしている由理香ちゃん。

 頬を朱に染めて、告白でもしようとしているかのようだ。


 いやいやいやいや!

 流石にあたしに告白はしないでしょう!?


 心の中で全否定したあたしは、由理香ちゃんの言葉を待った。


 少しの間もじもじしていた彼女は、意を決して大声で言った。




「友さんって、お兄ちゃんと付き合ってるんですよね!?」