「へーほー。俺がお前みたいななよっちぃやつに体力で負けるとでも?」

「当然だ。大海原で育ってきた俺が都会育ちの坊ちゃんに負けるわけねぇ」



 …………。

 段々ヒートアップしてきてる。

 このままだと収拾つかなくなりそう。


 そう思ったあたしは、切れのいい刃物のような鋭い言葉を二人にグサリと突き刺した。


「どっちにしたって二人とも優勝出来なかっただろう?」

「うっ!」

「ぐはっ!」


 二人は呻いてまた落ち込みだす。


 


 あーもう! 女々しいなぁ。


「……お前らはまだいいじゃねぇか……」

 ぽつりと、今まで黙っていた高志が話し出した。

 見ると、落ち込み様がハンパじゃない。

 まだ明るいはずなのにそこだけ影でも出来ているみたいに暗い。


 一瞬幽霊かと思った……。


「オレなんか……初っ端から……くぅっ!」

 それ以上は口に出すのすら辛いみたい。


 そりゃそうだ。

 あんな最初から失敗してリタイアさせられちゃったんだから。