聖石学園～意地悪で腹黒のナイト様～

「っ高志！？」

　思わず身を乗り出してテレビに近付く。

　確かに高志だ。


　ゲームの詳細知らされたとき、あれだけ真剣な目で黒斗を睨んでいたのにいきなり失格！？

「あーもー高志のバカ！　いくらなんでもいきなりはないでしょー！？」

　何であんなのに騙されるのか……。


　高志は普段からバカそうだけど、あんな丸分かりなのに騙されるほどバカじゃない。

　むしろ頑張りすぎて空回りするタイプ。


　ああそっか……。


「やる気出して裏を読もうとしたのかな？　でもこれは空回りすぎだよ……」

　何だか哀れすぎてちょっと涙が出てきた。

　そうしていると映像が騙されなかった生徒達に変わる。

　次に進むみたい。


　あたしも気持ちを切り替えてイスに座りなおした。


　高志以外にも気になる人はいる。

　黒斗や拓馬。

　二人がちゃんと進めるのか、黒斗は拓馬に勝てるのか。



　……そういえば弘樹はどうしたんだろう。

　聞いてなかったけど、邪魔者役に回ったわけではなさそうだった。


　と色々思いを馳せているうちに職員室に着いたようだ。

　中では用務員のおじちゃんが職員室のイスに座って皆を待ち構えていた。