聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~

 スタートの合図をしたすぐ後に、どこからともなく皆を制止する声が響いた。

 当然ながら皆驚いて立ち止まる。


『その役員が言ったヒントはウソだ! ブルートパーズは図書準備室にいる!』

 と言った男が映し出される。

 一応役員である印の腕章をしてはいるけど、何か変だ。


 ヒントはヒントでしか無いのに、あの人は居る場所を言っている。
 しかもウソを。


「これ、明らかに邪魔者役の人でしょ」

 こんなのに騙される奴いるのかなぁ……。


 まさかなぁ、と思っていたらその人についていく人は意外と多かった。

『図書準備室ならすぐそこだし確認してからでもよくね?』

 なんて声が聞こえる。

 まあ、そういう考え方もあるだろうけど……。


 と思ったとき、役員が何か紙を映し出した。

 皆には見えないようにカメラの近くに持って。


 そこにはこう書かれている。

“図書準備室に行ったやつは閉じ込められる。ゆえにリタイア決定!(笑)”


「き、厳しい……」

 戻ってくることすら許されないなんて……。


 そして紙がどけられ、邪魔者役の人についていく生徒達が映し出された。

 その中によく知る人物を見つける。