「んで! 告ったとしてもお前らの様子見た限り振られるのは確実だろ? でも友のことは決着つけときたいからさ、またダチに戻るために」

 そう言った高志の顔はすがすがしいものだったから、俺はさっきからかわれたのも忘れて「そうか……」と微笑んだ。


「だから文化祭のゲーム、お前には負けねぇよ? ……前フリ長くなっちまったけど、それが言いたかったんだ」

 そしてニカッと笑う高志に、俺もニヤリと笑って返す。

「そう言われても、俺だって負けるわけにはいかねぇよ」


「だろうな、だから勝負だ。ダチとして、正々堂々とな!」

「おう!」

 と、俺達は拳を軽く突き合わせた。

 熱血青春っぽくてハズかったが、それほど悪い気分じゃなかった。


「んじゃ、オレ先戻るから!」

 高志もハズいと思っていたのか、そう言うとさっさと走って行ってしまう。


 そして俺も戻ろうかと思ったとき、嫌な声が聞こえた。

「高志って真っ直ぐだよな? 俺、あーゆーヤツ結構好きだぜ」


 嫌なヤツって何で声だけで分かってしまうんだ?


 俺はあからさまに嫌そうな顔で声の主、拓馬を見た。

「拓馬……テメェ何でいるんだよ」

「んな嫌そうな顔すんなって」


 するっつーの!