聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~

 友は俺の彼女だぞ!?

 彼氏持ちに告るんじゃねぇ!!



 一瞬、そう口走ってしまいそうになった。


「お前の言いたいことは分かってるって。屋上でのキス見たときから分かってたさ。……付き合ってるんだろ? 友と」


 分かってたのか……。


 高志に分かられてしまったのは意外だったが、仕方ないのかもしれない。

 あの屋上でのキスはかなり濃厚だったから……。


 あのときの友を思い出して顔が熱くなった。


 あんな大胆なこと言うとは思わなかったからな……。


 俺は熱くなった顔を隠すように口元を手のひらで覆い隠す。

「何黒斗、照れてんの? っわー、珍しっ!」

 照れてたわけじゃないが赤くなった顔は誤魔化しようが無く、本当のことも言うわけにはいかない。

 俺は面白がってからかい出した高志にされるがままになった。


 っこ、この野郎……。

 さっきまで泣きそうな顔してたやつのくせに!


「んなこたーどうだっていいんだよ! で、告ってどうするつもりなんだよ!?」

 こんな本気でからかわれることなんて久しぶりだったから、俺はなりふりかまっていられなかった。

 もうヤケクソのように無理矢理話を戻す。


「悪ぃ悪ぃ」

 高志はニヤついた顔を必死で戻して何とか話を再開させた。