様々な不安を抱きながらも日々は過ぎていき、文化祭まであとわずかとなった頃。

 六時限目のHRを使って、実行委員から一日目の午後のゲームの詳細が知らされた。


 あたし達ジュエルは事前にどんなことをするのか聞いてはいたけど、詳しいことは実行委員から聞いてくれと言われていた。

 あたし達は定位置でただ座って待っていればいいと言われたけど、それだけじゃどんなゲームなのかさっぱり分からない。

 だから詳細を聞くのを待ちわびていた。


 教壇に立った実行委員が、わざとらしくコホンと咳払いする。

 何だか勿体ぶっているようにも見えた。

「えー、では。これから文化祭一日目、午前の仮装行列が終了した後のゲームの詳細を発表しようと思います」

 いや、これは絶対勿体ぶってる。


「オイ! 勿体つけてねぇでさっさと話せ!」

 とクラスの何人かが実行委員に野次を飛ばした。


 すると実行委員はニヤリと笑い、今までの落ち着いた雰囲気をかなぐり捨てて話し出した。


「テメェら先輩達から去年や一昨年のこと聞いてる奴もいるだろうな。その通り、今年の賞品も同じだ!」

 何がその通りなんだろう?

 去年のことなんてあたしは聞いて無いけど……。