「じゃあ俺と変われよ。そうすりゃあ俺は友守るだけで済むから」

 いやに真剣な表情で言った黒斗に弘樹は本気で慌てた。

「ちょっ!? それもダメだろ!?」

「……チッ」

 と舌打ちした黒斗は、少し黒い部分を出していた。


 黒斗……このタイミングで闇の部分出すのはちょっと怖いって……。


 実際弘樹はちょっと怖がっているようにも見える。



「弘樹がダメなら俺は!?」

 と、会話に混ざってきたのは拓馬。


「俺なら幸い皆からジュエルになれるって言われてるくらいだし」

 そして意味ありげな笑顔で「代わってやろうか?」と言われ、あたしは即座に遠慮させてもらった。

「拓馬の場合はその後に“報酬として何かくれ”って来そうだからいらない」

 そうきっぱり断ると、拓馬は「ちぇー」と拗ねるように言った。


 その様子だけを見ると今のは本当にただの冗談だったように感じるけど……拓馬のことだ、何か企んでいたに違いない!

 もうスキなんか見せるもんか!


 そう思って拓馬をジト目で見ていると、その向こうであたしをじっと見ている高志に気が付いた。



 何だか、高志がいる場所だけ雰囲気が違う。

 悲しそうな雰囲気。

 高志の表情は悲しく寂しそうだった。