「さ、黒斗。帰ろう!」
まだ僅かに怒りは残っていたけど、あたしはソレを抑えて黒斗の腕を引きトイレから出た。
あたしに引っ張られるように歩く黒斗の表情は、少し青いようにも見える。
「お前……結構スゴイコトするのな……」
ポツリと言った黒斗の言葉は聞かなかったことにした。
だって、個人的にはあれだけでも足りないくらいだから――。
「あ!」
ふと、日生にあたしが女だってコト口止めしておくのを忘れてたことに気付く。
「ん? どうした?」
聞いてきた黒斗に足を止めて話した。
「うん。日生にあたしが女だってコト口止めしておくの忘れてた……どうしよう……」
もし皆にバラされたらあたしはもうこの学園にはいられない。
黒斗とも離れてしまう……。
そんな不安が湧き上がってきた。
それに確か入学する前にお母さんはこう言ってた。
『女だってバレたら失格ってことで別の指令を最初からやらせる』
――と。
だとすれば、黒斗以外の生徒に知られたってこと、お母さんや雪さん、怜さんにもバレるわけにはいかない。
まだ僅かに怒りは残っていたけど、あたしはソレを抑えて黒斗の腕を引きトイレから出た。
あたしに引っ張られるように歩く黒斗の表情は、少し青いようにも見える。
「お前……結構スゴイコトするのな……」
ポツリと言った黒斗の言葉は聞かなかったことにした。
だって、個人的にはあれだけでも足りないくらいだから――。
「あ!」
ふと、日生にあたしが女だってコト口止めしておくのを忘れてたことに気付く。
「ん? どうした?」
聞いてきた黒斗に足を止めて話した。
「うん。日生にあたしが女だってコト口止めしておくの忘れてた……どうしよう……」
もし皆にバラされたらあたしはもうこの学園にはいられない。
黒斗とも離れてしまう……。
そんな不安が湧き上がってきた。
それに確か入学する前にお母さんはこう言ってた。
『女だってバレたら失格ってことで別の指令を最初からやらせる』
――と。
だとすれば、黒斗以外の生徒に知られたってこと、お母さんや雪さん、怜さんにもバレるわけにはいかない。



