「ひっさしぶり~」

「久しぶり。新学期早々テンション高いなー、高志」


 二学期初日。

 始業式だけの今日は皆休み中の余韻を残したままだ。

 それと同時に、明日からの授業を憂鬱(ゆううつ)だと思っている。


 ま、あたしもその例にもれないけど……。


「ホント元気だよね、高志。オレは明日からの授業が憂鬱でたまらないのに……」

 自分の机に突っ伏して言ったあたしに、高志は尚も明るく言う。

「んな明日のこと考えたって仕方ねぇだろ? 大事なのは今日だよ。久しぶりにダチと会えたんだからソレを喜ぼうぜ?」

 ニカッと相変わらずの笑みを見せた高志を少し懐かしいと思いながら、あたしは呆れて返した。

「その前向きさが羨(うらや)ましいよ……」

 そう言ったあたしの言葉に黒斗が「まったくだ」と同意し、弘樹もうんうんと頷く。


「な、なんだよ皆して。これじゃオレが楽観的みたいに見えるじゃねーか!?」

「みたいじゃなくてまんま楽観的だろ?」

 拗ねるように言った高志の言葉に、黒斗が突っ込む。

 そして高志以外の三人が僅かに笑った。




 でも、高志の言ったこともあながち間違いじゃなかったりする。

 友達とのこんなやり取りは久しぶりだ。

 他愛ない会話が普通に楽しい。