「っ!?」

 その表情が以前見たダークな笑みに似ていて、一瞬ドキリとする。


「な、何よ色気って……!」

「はは、また赤くなった。あんまりそういう顔すると襲いたくなるから控えろよ?」

「黒斗がそういう顔にさせたんじゃない!」


 どうやらからかわれてただけみたい。

 ……黒斗の本質はやっぱりSだ。

 優しくもなったけど、こんな風にからかったりいじめたりは変わらない。


 さっきのダークな笑みも、その変わらない部分のひとつなんだろうな……。



 ……ま、そういうところも好きなんだけど……。

 そう思って頬をまた赤くしていると、黒斗に腕を引かれた。


「そろそろ行こうぜ? 新幹線来ちまう」

「うん!」


 あたしは返事をして、黒斗と手を繋ぎ駅の中へと入っていった。