毎日一緒にはいられないんだもん。

 それなら――。


「良いよ。泊まりで行こう」

 あたしの返事に、黒斗はニッと微笑んでテーブルの上にパンフレットを並べた。


「じゃあどこがいいと思う? 俺としては海がいいと思ってんだけど。友の水着姿も見たいし」

 そう言って、黒斗はあたしにパンフレットを見せるように抱き寄せる。


「っ!」

「旅館とかもオツだけど、海の見えるホテルとかもいいな……」

 密着して顔を赤らめているあたしを他所に、黒斗は次々とパンフレットを見せてくる。


 あたしは緊張しながらも、こういうの恋人同士っぽくていいなぁ……なんて考えていた。

 黒斗の体温を感じながら、黒斗と行く旅行の予定を立ててる。


 あたし達付き合ってるんだなぁって実感出来て嬉しかった。



 夏だし暑いけど、今黒斗から離れたいとは思わなかった……。