聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~

「っ!」

 悲鳴のようなものが喉元まで出かかった。


 最近黒斗は突然後ろから抱きついてくることが多い。

 後ろからだと普通にびっくりするし、いつもより鼓動が早くなりやすいから困る。


「今は本当にするつもりなかったけど……」

「んっ」


 耳元で囁かれるのもさらに困る。


「友がしたいって言うならいいぜ?」

 するか? と聞かれる。


「っっっっっ!!!」


 あまりの恥ずかしさに、あたしは物凄く混乱した。

「い、いや! し、しないって!! ほら、それより夏休みの予定決めるんでしょ? 早く部屋入ろうよ!」

 と、めちゃくちゃ噛みながら黒斗の部屋へ向かったあたしは、ドアノブを回さずにドアに突っ込んだ。


 ゴン!


「いったぁー……」

 当然ながらぶつかりました。


「あーったく。分かった悪かったよ。もうからかわねぇから落ち着け」

 呆れた微笑みで言われて、今度は別の意味で恥ずかしくなった。


「う~」

 拗ねたようにうめきながらも、あたしは黒斗の部屋に今度こそちゃんと入る。