聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~

 残った四人の間に沈黙が落ちる。


 行ってしまった二人が何をするのか分かってしまっただけに、その沈黙は何とも言えない空気を漂わせていた。



「……えーと……。夏休みの予定の話だったよね」

 そう沈黙を破ったのは蓮先輩だった。

 ちょっと話の戻し方が不自然だったけど、この際ソレには目をつむろう……。


「僕は辰也先輩みたいに受験があるわけじゃないし、怜についていこうと思ってるんだ」

 と自分の事を話すと、蓮先輩はあたし達に聞いてきた。


「君達は何か予定があるのかい?」

「あたし達……ですか?」

 聞き返すあたしに蓮先輩はそう、と頷いた。


 特に予定があるってわけじゃ無いんだけどなぁ……。


 そう思いながらあたしは黒斗をチラリと様子見た。

 すると、黒斗もあたしを見ていたみたいで目が合う。


 そしたら黒斗はニッと笑って蓮先輩に答えた。



「俺達はまだ決めて無いですね。どこかには行こうと思ってますけど」


「そうか、まあ気をつけて行くんだよ?」

 と保護者のような蓮先輩の台詞の後に、怜さんが念を押すように言う。