聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~

 そして残りのボタンが次々と外れていく。


 そこでやっと黒斗がしたがってるんだって分かった。


「だ、ダメ!!」

 あたしは今の自分の状態を思い出してとっさに叫んだ。


 黒斗の動きがピタリと止まる。

「……なんでだよ?」

 声がちょっと低い。


 お、怒ってる……?

 理由、言わないと本当に怒っちゃうよね……?


「その……、……うなの……」

「何? 聞こえねぇって」

 そう聞き返した声は普段と同じだった。


 良かった、怒ったわけじゃなかったんだね……。


 そうホッとしつつ、あたしはもう一度答えた。

「だから、生理……中、なのっ」


 何度も言わせないでよ~!


 その答えを聞くと、黒斗はあたしを抱きしめたまま首筋から顔を離した。

「あ~そっか……。俺は別に構わねぇけど、お前を傷つけるわけにはいかねぇからな……」


 生理中でも構わないって黒斗……。

 っていうか――。


「傷つけるって何?」

 そこにちょっと疑問を感じた。

 生理中にHすることがどう傷つけることになるのか。

「は? お前知らねぇの?」

 と黒斗は驚いた。


 知らないって……だから何が?