だから俺はその友の手を取り、立ち上がった。


 小さな光は、強く抱きしめると壊れてしまう気がして、ぎこちなく抱きしめた。

 でもその光は、小さくてもとても力強かった。

 俺は友の気持ちを確かめて、そして愛しいと思う心に従って、キスをした――。




 腕の中の友をギュッと少し力を込めて抱きしめる。

「ぅ……んぅ……」

 そのせいで友は少し身じろぎをした。
 でも起きる気配は無い。


 小さくて柔らかい俺の光。

 俺だけの光でいて欲しくて、抱いた。


 好きで好きで堪らなくて、何度もキスをした。


 友の全てが俺だけのモノになることは無いって分かってる。

 でも、今だけは……二人でいるときだけは、俺のことだけ見て欲しい。

 俺のことだけ、考えて欲しい。



 今も密着している肌が柔らかくて温かい……。

 こんなにも、友のことしか考えられなくなるとは思わなかった。


「まったく……ちゃんと責任取れよな、友……」


 俺は目の前の友の寝顔に囁いた。


 とりあえず明日は休みだし、友が起きるまではこのままで……。




≪第一部完≫