聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~

 今はもう六月で衣替えも終わってる……だから学ランじゃない。

 中にベストを着ているとはいえ、今着ているのは学ランよりはるかに薄いシャツだ。


 黒斗の体温がしっかりと伝わってくる。


「く、黒斗……?」


 バクバクと大きな音をたてている心臓を落ち着かせ、呼びかけた。


「友、着替えたらさ……俺の部屋来いよ」

 耳元に響く低音ボイス。

 それは以前のような暗さのあるものではなくて、あたしを心から溶かすような甘いものだった。


「くっ、黒斗の……部屋?」

「そ、俺がお前の部屋に入ったことは何度もあるけど、お前が俺の部屋に来たことは無かっただろ?」

「そういえば……そうだね……」


 抱きしめる黒斗の腕を意識しまくりながらも、あたしは何とか会話をする。

「だからさ、来いよ」

「わ、分かった!」

 あたしはとにかく混乱してて、よく考えもせず返事をした。


「じゃ、待ってる……」

 そう言って黒斗はあたしを離し、自分の部屋に帰っていく。