「だってあたしは、“希望”と言う言葉を持つ、ブルートパーズなんだから……」





 黒斗は、差し伸べたあたしの手を掴み、立ち上がった。

 そして、ぎこちなくだけどあたしを抱きしめてくれる。



「本当に、ずっと側にいてくれるのか?」

「うん」


「本当に、俺を救い上げてくれるのか?」

「うん」




「本当に、俺のこと……好きなのか……?」

「うん……あたし、黒斗が好きだよ。仮面被ってる黒斗も、ドSな黒斗も、不安でいっぱいな黒斗も……黒斗だから、好きなんだよ……」


 そう言って、言葉だけじゃ足りない気がして抱き返した。


 すると、黒斗の腕の力が強まった。

 ギュゥッと、力強く……それでいて優しく抱きしめられる。


「好きだ、友……好きだ……」

 その言葉にとても驚いた。

 こんなにも早く嬉しい言葉が聞けるとは思えなかったから……。


 あたしも力強く抱き返し、「嬉しい」と囁く。






 そしてあたし達は、自然と恋人同士のキスをした――。