「友、あんたホントに早くナイト決めちゃいな?」

 雪さんがそう言ったのは、ジュエルとナイトのみが住める学園の寮に帰って来てからだった。



 ジュエルとナイトのみが住む寮――。


 あたしもジュエルだから、ほとんど強制的にこの寮に入っている。

 でも特別に作られた寮だけあって、設備は凄い。


 なんと一部屋約十畳。
 しかもトイレお風呂付!


 そんな凄い寮だから、ココに住むことに不満は全くなかった。

 毎日のように雪さんからはお小言を貰ってしまうけど……。


 その小言の中で一番多いのはコレ。

『自分のナイトを決めろ』


「そうよ? ナイトになる人にはナイトの振る舞い方を学んでもらわなきゃ無いから……。だから早く見つけないと」

 もう日数があまり無いせいか、今日は怜さんもお小言に加わった。


 それどころか――。


「そうそう。それを教える俺達の身にもなってくれ」

 と、雪さんのナイト・伊波 辰也(イナミ タツヤ)まで加わってくる。


 あたしはというと、「すみません」と謝るしかない。


 そんなあたしを見かねてか、怜さんのナイトである櫻庭 蓮(サクラバ レン)が助け船を出してくれる。

「まあまあ、焦っても仕方ないですし。ナイトはちゃんと信頼出来る人を選ばないといけませんからね」