聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~

「……よく分かったなぁ……? 他人への態度と家族への態度、違ってたこと今までだれも気付かなかったのに……」

 そう言いながら黒斗の指が顎に触れ、喉をなぞった。

 そのまま下へ行き、学ランの残りのボタンが外される。

「っ!?」

 そしてこの間のようにベストのファスナーも下げられた。 

「っ……やっ……」

 そこでやっと、あたしの口から小さな声が出た。

「や、だ……今日は……報酬必要ないはず……」


 あたしの震える声に、黒斗は柔肌に触れながらニヤリと笑った。



「報酬? ……ちげぇよ。これは罰だ」

「ば……つ……?」

「そう……何も知らねぇくせに、俺の中に入り込んできた罰だ!」


 そう叫んで、黒斗は素早くあたしのズボンをずり下ろした。


「――っっっっ!!?」


 声にならない悲鳴が上がる。

 

 コ ワ イ


 見開いた目に映る黒斗が、怖かった……。


「安心しろ、最後まではやらねぇよ。……でも」


 黒斗の顔が耳元に移動する。



「感じてるとこ、もっと見せろよ」




 黒斗のその言葉を聞いたあとは、よく覚えていない。

 分かっていたのは、あたしが泣いていたことと、黒斗の手に翻弄されたことだけ……。



 最後に、黒斗は脱力感でまどろんでいたあたしの目を手の平で隠し、耳元で囁いた。