「でもさ、ジュエルの正装は似合いそうだよな」

 と、弘樹がフォローのようなことを言ってきた。



 ジュエルの正装とは特注で作られた制服で、一人一人色が違う。

 雪さんが赤で怜さんが紫。
 要は石号の石の色と同じ色だ。

 デザインも少し違う。
 と言っても、それぞれに似合うように多少アレンジしてるだけだけど。


「そっかぁ? 何か着せられてる感じになりそうだけどなー」

 あくまで高志は否定的らしい。


 コイツ、あたしのこと嫌いなの!?


 ジロリと睨みつけると。

「あ、怒った? でも小石ちゃんにはそんなトコだろー?」

 小石!?
 よりにもよって小石!?


 ……違う。
 コイツあたしのこと嫌いなんじゃなくて、からかって楽しんでるんだ。


 これは無視するしかない。
 下手に反応を返せば高志の思う壺だ。


「何黙ってんだよ? ……え? もしかしてマジで怒った? ゴメンゴメン!」

 その顔は全く悪いと思ってない。
 語尾に星とか音符のマークでもついてそうだ。


 なんでこうコイツはあたしの神経逆撫でしてくるかなぁ!?


 本気で殴ろうかと拳を震わせていると、黒斗が場の雰囲気を変えるために話題を変えた。